2008年9月13日土曜日

熱海へ その一


もし、そのフライヤーが、これではなかったら、
極端な話、私は「和の心にて候 in 熱海」には行かなかったかもしれません。
そしてこのように新之介組に参加させていただくこともなかったかもしれません。

ああ美しいな。と、そう思いました。

まだ、私がただの歌うたいで、
新之介さんが音楽好きのジェントルマンだった時、
今度こういうのやるから、と渡された不思議なイベントのチラシは、
《当たり》でした。
例えば、音楽を試聴したりせずに、CDジャケットの印象だけで、
衝動的にアルバムを買ったりする<ジャケ買い>という行為がありますが、
私がよくやるのは<チラシ買い>です。
芝居でも映画でもライブでも、
第一印象でチラシが美しいと思って観に行ったものの殆どは、
期待を裏切るものではありません。
そのデザイン、色使い、制作者の意図がきちんとつまった、
丁寧な仕事のチラシには、ちゃんと伝える力が備わっているのです。

能舞台というのは、
本当に日本人の美意識の粋をあらわしたものと思いますが、
お茶室と同様、あの限られた、クローズドな空間は
屋外で何万人を集めて行われるようなイベントとは、
もとより表現の役割が違います。
大音量のスピーカーを通して「LOVE&PEACE!」と叫び続けるものでなく、
そっと小さな心の扉をノックして「さあ目を覚まして下さい」と呼びかける、
そんな違いです。
思いが端々まできちんと伝播すること、密接であること、
近しいこと、自分の内まで響くこと、傍観者にならないこと、
そういうことが出来る舞台だと思います。

和の心にて候。
能舞台。
熱海。
この選択をした、このライブに、きっと共鳴できるものがあるだろうな。
漠然とそう思っていました。
きっと、面白い事になっているだろうな。
この世界観にふれてみたいな、と思う、《当たり》のチラシにいざなわれ、
熱海へのチケットと、「和の心にて候 in 熱海」のチケットを手にし、
向かった能舞台で行われたそのライブは、
想像通り、これまでに観た事のない、想像も出来ないようなライブでした。

やっぱりな。
(続く)笑