
かの魔物猛けき檜にしみ入るを
あつめて我に白椿
謹んで新春のお慶びを申し上げ、
良き一年でありますように。
先日深川不動へ厄よけのお護摩と初詣に参ったら、
三が日も過ぎた平日にもかかわらず、
あふれんばかりの人だかり。
こんなにも多くの人が、
来し方一年を終えて新年を迎えるにあたり、
何かを願い、身を正し、手を合わせるものかと、
改めて少し感動してしまったほどに、
昨年は大変な一年だったのかもしれない。
天地も動かすばかり言の葉の
まことの道をきはめてしがな
(明治天皇)
生涯に9万もの歌を読んだとされる明治天皇のこの歌が表すものは、
我が国の想いや言葉はこうして語りつがれ、
国をも治め、人と交流し、内面を昇華してきたという言霊の力。
ガツンときた。圧倒されてしまった。
良きことも悪しきことも、発しなければ実現しない。
良くありたいと願うからこそ、この時に、
大切な一年を、大切な言葉とともにあるべきと思いました。
そして私は、といえば、
能楽堂という怪物との対峙がもたらした、
この変化を、どうして御していけばよいかと思う年の瀬に、
一つ歌を詠んでみた。
能楽堂で私がしたことは、
怪物と戦ったわけでもなく、怪物を制したわけでもなく、
おこがましくも言葉にするならば、
幾多の光の、
幾多の想いの、
力を借りた。
ということだけだったと思う。
私に出来たことはそれだけだったと思う。
人も時代も言葉も移ろいゆくけれど、
そこに宿る心を感じよう。
その構造の相似性を感じよう。
そして今年は瓦解の後の再・構築と。
きらきらと拾い集めて言の葉を
いまひとたびの吉とならんや